dear sister

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姉は喋らない 事故にあってからもう何年も、妹の私も、姉の声を聞いたことがない 何を話しかけても、何を見せても、喋らないどころか表情も動かない 両親はあきらめているようで、姉の事を見ようともしなかった 学校からの帰り道。いつものように、姉と歩いていた いつもは絶対に通らない、車通りの多い道に姉が行ってしまうので、慌てて追いかけた 前はよく通っていた、交差点 「お姉ちゃん。ここ………」 姉が、事故にあった場所 転んだ姉に気づかなかった車が姉を引き… 「そう」 久しぶりの姉の声がした 振り向くと、姉は静かに笑っている トンッと。道に押し出される 「ここで、わたしは、あなたに殺されたのよね」 あのときのわたしと同じ事を、同じ表情を、足の透けた姉はしていた 足をもつれさせたわたしに、巨大な質量をもつなにかがぶつかった 『――――――えー、私は今、事故現場に来ています。目撃者によりますと、被害者の少女は、始終〈見えないなにか〉に話しかけるようにしていたようで――――――』
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