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会社の外では太陽がギラギラと輝き熱射を道行く人達や車に満遍なく浴びせかけていた。
それに対し会社の3階にあるオフィスの中はクーラーが涼しい風を部屋中に送り、壁を挟んで天国と地獄のようになっている。
クーラーの風を背中にうけながら高橋はパソコンでお得意様に頼まれた見積を作成していた。
そこに後輩の渡辺が自動販売機で購入したお茶のペットボトルを持って隣の席に座り、高橋に声を掛けてくる。
「先輩、休憩取らないのですか?」
高橋は渡辺の問い掛けに腕時計で時間を確認してから返事を返した。
「ああ、もうこんな時間か、お前ね、自分の分だけでなく気を利かせて俺の分も買って来いよ」
「すいません」
渡辺は格闘技で鍛えた巨体を竦ませて高橋に詫びる。
高橋は腕を上方へ伸ばし背伸びをした後椅子から立ち上がって、エレベーターホールに設置されている清涼飲料水の自動販売機に向けて歩き出した。
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