社長室に、二人きり。 - 後日談 -

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人事課は、4部門に分かれている。

人事企画、採用、教育、労務で、愛羅が配属になったのは、人事企画グループだった。

各グループに数人ずつ所属しているが、愛羅とチームを組むのは、仁科悠里（にしな ゆうり）と有坂啓子（ありさか けいこ）という、いずれも既婚の女性社員だった。

配属初日、緊張しつつも人事課室に向かった愛羅は、課員の前で簡単に自己紹介し、配属の挨拶をした。

前日のうちに運び込んでおいた荷物は、既にすぐに業務を始められるよう、愛羅のデスクにセッティングしてある。

ちなみに、偶然だろうが、愛羅の席は入り口からは近いものの角に配されており、部屋の真ん中ではないことに少々ホッとした。

挨拶が済むと、仁科悠里が、人事課員を一人一人紹介するように、課内を一緒に回ってくれた。

吊り気味の目がそうさせるのだろうか、一見厳しそうな見た目にも関わらず、面倒見が良いようで、愛羅はまた一つ安心する。

仁科がハキハキと話す様は、愛羅にどこか姉の麗美を思い出させた。