社長室に、二人きり。 - 後日談 -

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「残業代が減れば、会社としてはラッキーなことは確かだけれど、目的はそれじゃないから、決して間違えないように。あくまでも、従業員がより働きやすい環境を整備して、優秀な人がガレッジで働きたいと思い、残ってくれること。働き方の多様性に対応する必要があるのか検討し、必要があるなら対応策を提言すること。そして、時間外労働を減らして、皆の健康を守ることだ」

毎月のように新入社員があるガレッジだけれど、それでも人手不足は慢性的らしい。

そして、これから先、日本に拠点を置いている限り、人手不足は続くだろうと会社は認識している。

単なる労働人口ではない、真に会社が欲する人材を確保する難易度は、年々増しているのだそうだ。

優秀な働き手を確保する道として、採用を強化することとは別に、人事課は二つの道を探っている。

一つは、今いる社員がより働きやすい環境を確保することで、退職者を減らすこと。

エンジニアと営業が大半を占めるガレッジでは、業界の常として、退職者も多い。

ガレッジの退職率は、業界では平均的だが、これを落としていこうというものだ。