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違う。
そうじゃない。
瀬乃山は、結婚間近の彼女が同じ職場にいるにも関わらず、平然と愛羅を弄んで捨てた、前の職場の男とは違う。
社長と関係を持っただなんて知れたら、社長である瀬乃山に迷惑がかかるのは明らかだ。
愛羅だって、静かに仕事なんてできなくなってしまう。
そんなこと、分かりきっているのに。
「清香や林には、言っていいからな」
「……本当に、いいんですか?」
それさえ、リスクではないのだろうか。
恐る恐る見上げた愛羅に、瀬乃山は頬を緩めた。
「もちろんだ。二人のこと、信用しているんだろう?」
「ええ」
もちろん、そうだ。
何をどこまで話すかはまだ決めていないが、二人には心配を掛けたことを謝罪したい。
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