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「離したくないな」 瀬乃山が呟いて、愛羅を胸に閉じ込める。 仄かにウッディなオードトワレが香る。 張りのある肌、逞しい二の腕、頬に押しつけられた硬い胸板の心地良さに愛羅は胸を震わせて、瞳を閉じた。 「帰したくない」 その言葉にハッとして、愛羅は身を捩った。 「どうした?」 「今、何時ですか? 帰らなくちゃ」 にわかに動き始めた愛羅にキスを落として、瀬乃山も身支度をする。 泊まっていってほしいが、同居している愛羅の姉、麗美が心配するだろうと瀬乃山も思い、起き上がった。
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