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「……うん。分かった。でも、無理はするな。食べたいものでも場所でも、何かリクエストがあったら、後で言ってくれ」
「はい」
会釈をして、愛羅は立ち上がった。
コロンとその足元に、何かが転がる。
シルバーが輝く、ボールペンだった。
瀬乃山が気づいて振り返る。
瀬乃山のデスクから落ちたのだろう。
愛羅がしゃがんで拾い上げようとすると、その手に大きな手が被さった。
思わず引っ込めようとした手はがっちりと掴まれ、瀬乃山に引き寄せられた。
戸惑いながら見上げた瞳は、熱の籠った視線に押さえられてしまった。
引き込まれるように、唇を奪われる。
「ん……」
慌てて離れようとすると、頭をすっぽりと抱えられてしまう。
息継ぎの合間に視線を落とすと、二人とも床に膝をつけていた。
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