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「いや、俺に出させてくれ。……神崎も誘ってみようか」 ポカンと瀬乃山を見上げる清香は、マグカップを取り落としそうになって、慌ててカウンターにそれを置く。 そんなに驚くことかと思うが、清香は信じられないようだ。 「え、嘘。嘘でしょ!? そんなことってないわよね。何!? 諦めきれないからって、しつこくしちゃだめよ!?」 そこまで言うことではないと思う。 憮然として瀬乃山があさっての方角を見ながら、コーヒーを啜る。 けれど、まあ。 「……神崎が来るかは分からないけれど、訊いてみるよ」 先週の金曜日は食事をしてくれたが、清香もいる場に来てくれるのかは分からない。 それに、焼肉が好きかどうかも不明だ。 いつも清香と行っている焼肉店には個室もあったはずだし、その点は、他の店を探してみても良いのだが。
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