2191人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
「いや、俺に出させてくれ。……神崎も誘ってみようか」
ポカンと瀬乃山を見上げる清香は、マグカップを取り落としそうになって、慌ててカウンターにそれを置く。
そんなに驚くことかと思うが、清香は信じられないようだ。
「え、嘘。嘘でしょ!? そんなことってないわよね。何!? 諦めきれないからって、しつこくしちゃだめよ!?」
そこまで言うことではないと思う。
憮然として瀬乃山があさっての方角を見ながら、コーヒーを啜る。
けれど、まあ。
「……神崎が来るかは分からないけれど、訊いてみるよ」
先週の金曜日は食事をしてくれたが、清香もいる場に来てくれるのかは分からない。
それに、焼肉が好きかどうかも不明だ。
いつも清香と行っている焼肉店には個室もあったはずだし、その点は、他の店を探してみても良いのだが。
最初のコメントを投稿しよう!