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「え、それってどっちなの!?」
「だから、俺が奢るってほう」
断定的な言い方は、オフィスでは躊躇われて、これで分かってくれと視線を合わす。
でも、こんな言い方では、確かにどっちなんだか分からないだろう。
「ああ……あと、総務の林も誘ってみようか。いい?」
瀬乃山だって躊躇われるくらいだから、愛羅がオフィスでこんな話をできるはずもない。
それならば、どこか外でということになるが、愛羅は外出が苦手だと言う。
林花蓮ならば、もしかしたらどちらかの自宅に行くような仲なのかもしれないが、どうせなら一度に済ませてしまうのも悪くないだろう。
「林さん? うん、知っているけれど」
「神崎と仲が良いらしいんだ。それで、宮武のことも、彼女になら言っていいと言ってある。たぶん、まだ話してないだろうから、一緒にと思って」
「……私は構わないけれど」
まだ納得がいかなそうにしながらも、清香が頷いたことを確認し、よろしくと瀬乃山は呟いた。
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