*3

6/18
前へ
/242ページ
次へ
   *   *   *    金曜の夜、愛羅と花蓮は、瀬乃山が予約した焼肉店にいた。 瀬乃山と清香は、まだ来ていない。 ほとんど残業をせずに済んだ二人が、先に到着していたのだ。 瀬乃山の思ったとおり、宮武のことも瀬乃山のことも、オフィスで話せる内容ではなく、困っていたところにこの提案だったから、花蓮にも伝えて、この場で話すことにしていた。 瀬乃山と清香が来る前に、宮武のことを話すと、花蓮は激怒した。 「信っじられないっ! 最っ低ー! 一発殴っておけば良かった!!」 物騒なほど怒りを露わにして怒ってくれた花蓮を、愛羅は慌てて止める。 「花蓮さん、もう済んだことだから」 「本当にそれでいいの!? もっと罰しないと!! 社内の人、みんな知らないよ? 宮武さんが辞めたことだって、まだ管理部門の人しか知らないくらいだし」 「うん……知らないほうがいいの」 俯く愛羅に、花蓮はハッとして怒りを鎮める。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2197人が本棚に入れています
本棚に追加