2197人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
金曜の夜、愛羅と花蓮は、瀬乃山が予約した焼肉店にいた。
瀬乃山と清香は、まだ来ていない。
ほとんど残業をせずに済んだ二人が、先に到着していたのだ。
瀬乃山の思ったとおり、宮武のことも瀬乃山のことも、オフィスで話せる内容ではなく、困っていたところにこの提案だったから、花蓮にも伝えて、この場で話すことにしていた。
瀬乃山と清香が来る前に、宮武のことを話すと、花蓮は激怒した。
「信っじられないっ! 最っ低ー! 一発殴っておけば良かった!!」
物騒なほど怒りを露わにして怒ってくれた花蓮を、愛羅は慌てて止める。
「花蓮さん、もう済んだことだから」
「本当にそれでいいの!? もっと罰しないと!! 社内の人、みんな知らないよ? 宮武さんが辞めたことだって、まだ管理部門の人しか知らないくらいだし」
「うん……知らないほうがいいの」
俯く愛羅に、花蓮はハッとして怒りを鎮める。
最初のコメントを投稿しよう!