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「遅かったわね。大丈夫だった?」 家に帰ると、麗美に出迎えられた。 もしかしたら心配して、普段より早く帰ってきていたのかもしれない。 大丈夫と答えて、少し考え、後で話すねと言った。 色んなことがありすぎて、頭が混乱している。 とりあえず、気を落ち着かせようと風呂に入った。 裸になると、つい先程まで傍にあった瀬乃山の気配を、より強く感じる。 これまで目にしたことのなかった情熱的な姿が、目に肌に、焼き付いてしまった。 あまりにも突然で、あまりにもこれまでの印象と違い過ぎて、戸惑いを隠せない。 それでも、それ以上に嬉しさや気恥しさが勝って、じりじりと胸を焦がす。 麗美にどうやって話そうか、考えなければならないのに、まとまりそうにない。 戸惑いや焦燥で眉は顰めてしまうのに、昂ぶる気持ちが足元をふわふわと浮かす。 結局、考えも気持ちもまとまらないまま風呂を出ると、麗美はリビングで待っていた。 これ以上待たせるのは気が引けたものの、顔を合わせる勇気が持ちきれず、愛羅は麗美の座るダイニングテーブルではなく、ソファに腰を下ろした。
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