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「お姉ちゃん、あのね」 「うん」 待ち構えたように、麗美が体ごと愛羅へ向き直る。 愛羅も覚悟を決めて、麗美に顔を向けて、声が震えないよう祈りながら口を開いた。 「会社辞めるの、やめることにした」 「…….え? 退職しないってこと?」 「うん」 「なんで?」 即座に切り返す麗美に、瞬き一つを残して、愛羅は俯いてしまった。 目の前のローテーブルに置いておいた水を一口含んで、もう一度顔を上げる。 「あの……宮武さんは退職していなくなるから、大丈夫」 「……そうかもしれないけど。やっぱりそんな会社、どうかと思うよ」 「うん……」
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