*4

21/23
前へ
/242ページ
次へ
その隙に、じりじりとスカートをたくし上げるようにして深く抱き寄せ、上半身をぴったりと合わす。 きっと足元のしどけない姿には気付いていないからなのだろうが、おとなしくなった愛羅に気をよくして視線を合わせれば、問いかけるように見つめ返してくる。 「君を見るたびに、触れたくなる欲求と闘わずに済む」 「……まさか」 ポカンと小さく開いた唇に、舌を割り込ませようか悩みながら、しばらく気の抜けた顔を楽しむ。 「本当だ。君は違うのか?」 「そんなこと……」 うろたえて俯いた顎に手を掛け、愛羅が嫌がるほど上を向かせる。 「そんなこと、ない?」 じっと見つめれば、せめてもの抵抗とばかりに、長い睫毛を震わせながら落とす。 「……そんなこと、言えません」 じわりと広がる快感は、嗜虐心なのか、征服欲なのか。 一言に愛おしさと言ってしまうには、自分が随分と意地悪なことをしていると思いながらも、ついつい口の端は緩む。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2197人が本棚に入れています
本棚に追加