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その隙に、じりじりとスカートをたくし上げるようにして深く抱き寄せ、上半身をぴったりと合わす。
きっと足元のしどけない姿には気付いていないからなのだろうが、おとなしくなった愛羅に気をよくして視線を合わせれば、問いかけるように見つめ返してくる。
「君を見るたびに、触れたくなる欲求と闘わずに済む」
「……まさか」
ポカンと小さく開いた唇に、舌を割り込ませようか悩みながら、しばらく気の抜けた顔を楽しむ。
「本当だ。君は違うのか?」
「そんなこと……」
うろたえて俯いた顎に手を掛け、愛羅が嫌がるほど上を向かせる。
「そんなこと、ない?」
じっと見つめれば、せめてもの抵抗とばかりに、長い睫毛を震わせながら落とす。
「……そんなこと、言えません」
じわりと広がる快感は、嗜虐心なのか、征服欲なのか。
一言に愛おしさと言ってしまうには、自分が随分と意地悪なことをしていると思いながらも、ついつい口の端は緩む。
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