―周期的な夜明け―

2/2
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
生まれた。 僕がだ。泣いてら。おぎゃーおぎゃー。 まぁ泣かなきゃ息出来ないからな。 皆笑ってる。母ちゃんも笑ってる。父ちゃんなんて泣きながら笑ってんだ。 まだ文明も無い時代、その頃から人類が幾千と繰り返してきた出産という行為。 言うなれば神秘に満ちた必然。 決まってたから、生まれてきた。 だから僕は今でもおかしな夢を見るのだろう。 まるで自分に言い聞かせてる様に。 歯車として服従するのを強制するかの様に。 生きているのを、解らせるために。 ……この夢は、嫌いだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!