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「死者の蘇生ぃ!?」
魅沙が素っ頓狂な声を挙げる。
「・・・!」
一志が絶句する。
「・・・」
夏南は、俯いたまま。
三者三様の反応の中。
「何それ!?何をどうしたらそんな事が出来るワケぇ!?」
魅沙の嬌声とも言える声だけが響く。
嘲笑を含んでいる、と言ってもいい。
「それこそ意味不明じゃん。一体・・・」
「魅沙。」
それを遮る。
雅博の、静かだが鋭い声。
「な・・・何よ。」
「生物と非生物の違い、って何だ?」
「え・・・」
魅沙は宙に視線をさ迷わせ。
助けを求めるように一志、夏南を伺い。
「ええ・・・と・・・」
そこに”それ”が無いと覚ると。
「た、蛋白質とか?アミノ酸とか?」
取り敢えず、思い付いた単語を繰り。
挙句。
「む、難しい事は解んないよっ!」
軽い癇癪を起こした。
「そんなに複雑な話じゃない。」
対して雅博は。
あくまで冷静に、口を開く。
「答えは”自律活動をするか否か”だ。」
「・・・は?」
「蛋白質、アミノ酸、有機物質。生物と呼ばれる物で現在確認されている物の全てがそれで構成されていたとしても・・・それが生物としての必須条件じゃない。身体の構成要素が何であったとしても、自律活動を行う物なら・・・それは”生物”だ。」
思わぬ答えに、魅沙が自失するのも構わず。
雅博は静かな、しかし奥に熱を帯びた言葉を続ける。
「かつて魔術には”ゴーレム”と言う、人形に命を吹き込んだ物があった。」
「命を・・・吹き込む・・・」
「ゴーレムは、創造主の命令の順守を基本としながらも、その活動自体は自律的な物、だったと言う。」
「・・・」
「その身体の構成物は、石、木、そして・・・」
雅博は、ぺろ、と。
舌で唇を、湿らせる。
「人の、屍肉。」
「屍・・・肉・・・」
ひゅ、と。
息を呑む、声にならぬ悲鳴。
それは、魅沙では無く。
夏南の口許から、発せられていた。
「かつて、自律活動をしていた物質だ。石なんかよりは、それに適していたんだろうな。」
「・・・」
一志の拳が、ぎゅ、と握られる。
「だったら・・・」
雅博の笑みは。
何処か、妖しい物を湛えた。
「死者の蘇りも、可能だと思わないか?」
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