1.出会い

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突然だけど、昔話をしよう。 今からずっとずっと前。 私が、ある人たちに会ったあの日のことを。 苦しくて、苦しくて、毎日が辛かったあの日から救いだしてくれたことを。 …今なら、話せるかもしれない。 ―――――…… …ゴポポポポ……――― 私は、いつからここにいるんだろう。 目の前は、白くも暗くもない。 不思議な色をしている。 瞼を閉じているはずなのに、 薄い緑色が目の前を支配している。 ずっとずっと薄い緑色の液体に浸けられながら 眠っているはずなのに、 ちっとも息苦しくない。 …いや、確かに身体的には息苦しくはない。 精神的に息苦しい。 体を動かそうとしても動かない。 声を出そうと口を動かそうとしても動かない。 状況を確認したいのに瞼は開かない。 極稀に、人の声はするし、聴こえる。 最初は幻聴かと思った。 だって、薄い緑色の液体からずっと声が聴こえるんだもの。 私を精神-こころ-から壊そうとしてくるんだもの。 その人の声も、そのコエと同じかと思ってた。 けど、違った。 「ヒヒッ……私の可愛い可愛いモルモットよ。  今日は、お前に新たなモノを能えよう。…ヒヒッヒヒヒッ……」 何となく、左横に人の気配がしたから。 そして、ピピピ……と、何かのボタンを押す音もした。 程無くして、目の前が一瞬だけ。 本当に一瞬だけ。……紅く染まった。 その色に恐怖を覚えて、 自分自身を抱き締めようとしたけど、 それでさえも…体は動いてくれなかった…。 それから、どれくらい、たったんだろう…? 横にあった気配は消え、 緩やかな微睡みが私を誘-イザナ-っていった。 ―――……
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