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自然と言葉が溢れた。
「…良かった。リオンの身にもしもの事があったらと思うと」
本当に心配しているのだろう。
セフィロスが眉を寄せながら私の右頬に手を寄せて呟くように声を発していた。
「セフィロス、彼女は…?」
黒髪で、ツンツンしてて、渋い顔してる男性がセフィロスに聞いていた。
多分、彼がアンジールだろう。
声音がそうだから。
「……彼女は…」
言い淀んでいるセフィロスのマントをクイクイッと引っ張り、彼の掌に自分の人差し指で文字を綴っていく。
『{…話して、だい、じょうぶ…だよ}』
「良いのか?」
コクン
頷いて返す。
「……彼女は、リオンだ。つい先程言葉を交わした」
「リオンか。…良い名だな」
アンジール(?)に褒められて、頬が少し熱を持ったのがわかった。
『{あ、り…がとう}』
照れながらアンジールに返事を返したけど、アンジールは気付いてないみたいだった。
まぁ、当然と言えば当然だよね。
指先でしか言葉を発せられないのだから。
「…すまなかった。リオンを傷付けようとしてしまった」
ジェネシスが私の手を取り、眉を下げながら謝ってきてくれた。
『{ううん、私怪我してないから、ダイジョブだよ}』
頑張って顔の筋肉を使い、微笑む。
ちょっと強ばっちゃってるかも…。
「セフィロス、アンジール、ジェネシス。
そのサンプルを私に返せ。
まだ、私の実験は終わってないのだからなぁ」
空気になってた、ほうじょう博士が突然声をあげた。
が、
「嫌だ」
「拒否する」
「もう彼女を実験の道具にはさせない」
即答だった。
因みに、上から
ジェネシス
アンジール
セフィロスだ。
「貴様らぁ…」
フルフルと肩を揺らしながら呟くほうじょう博士。
怒ってるのがわかる。
「ジェネシス、セフィロス。
リオンを連れて逃げるぞ」
「当然だ」
「リオン、しっかり掴まっているんだぞ」
『(へっ?……きゃっ!!)』
セフィロスがそう言うと、私をお姫様だっこをし、他の二人と共に5年間私が閉じ込められていた部屋から駆け出していったのだった。
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