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少し経つと3人は走るのを止め、木が生えている部屋に入っていった。
そして、ソファーに私を座らせ、その横にセフィロスとジェネシスが座る。
「ふぅ。ここまで来れば宝条も追って来ないだろう」
「あぁ。だといいが」
「それより、彼女の服はどうするんだ。
直視できん」
ソファーに座らず立っていたアンジールが目元に手を乗せ、そっぽを向いていた。
心なしか、耳が紅いようにも見える。
と、私の格好の話だったけ?
今の私は、走っている最中に衣服を纏わぬままにいることにセフィロスが気付き、ジェネシスがマントを貸してくれてそれを羽織っているだけなのだ。
胸が見えるか見えないかだし、少し動けば太ももがチラ見出来る位でしか羽織れてない。
「…俺は別にこのままでもいいが?」
「変態ジェネシスは黙っていろ」
肩を抱き寄せ、微笑みながら言ってくるジェネシスの頭をスパァン!と叩くアンジールと物凄い低い声でああ言いながら手の甲を力の限りつねってるセフィロス。
(仲良しなんだなぁ。
3人とも)
「「断じて違うっ/!!」」
「ただの腐れ縁だ。誤解はしないでくれ」
あれ?
聴こえてる?
両側から即座に否定が入り、前から呆れたような…うんざりしたような感じで声が降ってきた。
「そんなことはどうでも良い。
リオン、声は出せないのか?」
「おい、アンジール。
どうでもよくはないだろう」
セフィロスが即座に突っ込んだが、聞こえていない振りをしてるのか…「一度だけで良いから試してみてくれ」って言ってきた。
「「…………」」
2人も、私の声が聞きたいのかジッと見つめてくる。
出るかわからないよぉ…。
『…………ぁ…………………っ!』
出た!!
声でた!!
「微かにだが…良かったなリオン」
頭を撫でてくれるセフィロス。
私は嬉しくて、セフィロスに抱きついた。
「り、リオン!そんな奴の胸じゃなくて、俺の胸に飛び込んでくるだ!」
「訳のわからないことを言うな」
『ぇへへ……』
ジェネシスとアンジールのやり取りなんか耳に入ってこないくらい、ぎゅ~~~~~ってセフィロスに抱きつき続けた。
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