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また、左横に人の気配がした。
けど、今日は違った。
いつもの人と、あと、3人。
知らない人の気配がしてた。
「…宝条博士、魔光に晒されている彼女は?」
少し低くて、渋い感じの声音が聴こえた。
誰だろう?
ほうじょう博士って。
「その娘か?…ソイツはなぁ、5年前。ある場所で発見されたのを私が引き取ったのだ…クククッ
その娘は面白い。
通常なら、魔光を浴びれば瞳の色が魔光色に変化するものが、そうならず、黒い瞳のままなのだ。
今までも、様々な実験をしてきたが、すべてを吸収するが、身体に何ら影響が出ていない。これは異例だ…っ。
……だが、まぁ。
その責か、5年前から未だに目を覚ましてはいないがな」
この人の声がいつもの人だ。
じゃあ、この声がほうじょう博士?って人かな。
「…こいつは生きているのか?」
失礼な!生きてるもん!…たぶん。
「ん?あぁ。生きている。…クククッ」
何が面白いの?
変な人…。
「……ジェネシス、アンジール。そろそろ仕事だ」
ん、新しい人の名前だ。
「…もうそんな時間か、ジェネシス。
彼女に見惚れるのはわかるが、1stの俺たちにしか出来ない仕事なんだぞ。
早くしろ」
渋い声音の人が、アンジール…かな。
じゃあ、異様に気配が近い人が、ジェネシス…になるんだ。
「ふっ…見惚れて何が悪い」
ほへ?
見惚れる?誰に??
……あ、気配が遠退いていく。
ほうじょう博士だけになっちゃった。
あーぁ。
あの三人の声、もう少し聴いていたかったんだけどなぁ。…残念。
そして、今日も、ほうじょう博士の実験によって視界の色が変わり、恐怖に怯えるのだった。
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