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『{通じたの?}』
「あぁ。漸く理解できた」
返事が、返ってきた。
会話が出来てる…。
「お前…。いや、ずっと お前 だと他のやつらと混ざるな。
お前、名前は」
いや、最終的には お前 って言ってるけどね?
だけど……。
『{…わからない}』
「…わからない?」
『{うん。覚えてないから。私の名前}』
「そう、か。…瞼は動かせないのか?」
そう言われて、ずっとどうせ動かないと諦めていたことを、もう一度やってみた。
スッー
ぼやぼやする…。
薄い緑色の向こう側で、灰色?銀色?と黒色がモヤのように見えるけど。
『{目の前にいるのが、}』
「…っ!…あ、あぁ。俺だ。
セフィロスだ」
『{セフィロス…。カッコいい名前、だね}』
「ふっ…カッコいい、か。
それにしても、本当に黒い瞳のままなんだな。
本人自信、名を覚えていないのなら、俺がつけてやる」
鼻で笑われたけど、すごくやさしい声…。
なんか、胸が暖かくなったような気がする。…なんか不思議だな。
って、
『{名前、つけてくれるの?}』
「そうだが、嫌か?」
『{全然!嬉しい}』
「なら、よかった。
…お前の瞳は水晶のようだな。
黒水晶…モリオン……。
……お前の名は、リオンだ」
リオン…。
なんか、可愛い名前だなぁ。
「気に入らないか?」
『{ちがう。可愛い名前、つけてくれて嬉しい}』
ふわっ…
『{ありがとう}』
「………。
いや、どうと言うことはない」
私は、この時気づかなかったし、聞いた話じゃあ5年ぶりに瞼を開けたから、回りがぼやけて見えなくって、
私が無意識に微笑んだことによって、セフィロスの顔が赤くなってるなんて、しらなかった。
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