1.出会い

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『{通じたの?}』 「あぁ。漸く理解できた」 返事が、返ってきた。 会話が出来てる…。 「お前…。いや、ずっと お前 だと他のやつらと混ざるな。 お前、名前は」 いや、最終的には お前 って言ってるけどね? だけど……。 『{…わからない}』 「…わからない?」 『{うん。覚えてないから。私の名前}』 「そう、か。…瞼は動かせないのか?」 そう言われて、ずっとどうせ動かないと諦めていたことを、もう一度やってみた。 スッー ぼやぼやする…。 薄い緑色の向こう側で、灰色?銀色?と黒色がモヤのように見えるけど。 『{目の前にいるのが、}』 「…っ!…あ、あぁ。俺だ。 セフィロスだ」 『{セフィロス…。カッコいい名前、だね}』 「ふっ…カッコいい、か。 それにしても、本当に黒い瞳のままなんだな。 本人自信、名を覚えていないのなら、俺がつけてやる」 鼻で笑われたけど、すごくやさしい声…。 なんか、胸が暖かくなったような気がする。…なんか不思議だな。 って、 『{名前、つけてくれるの?}』 「そうだが、嫌か?」 『{全然!嬉しい}』 「なら、よかった。 …お前の瞳は水晶のようだな。 黒水晶…モリオン……。 ……お前の名は、リオンだ」 リオン…。 なんか、可愛い名前だなぁ。 「気に入らないか?」 『{ちがう。可愛い名前、つけてくれて嬉しい}』 ふわっ… 『{ありがとう}』 「………。 いや、どうと言うことはない」 私は、この時気づかなかったし、聞いた話じゃあ5年ぶりに瞼を開けたから、回りがぼやけて見えなくって、 私が無意識に微笑んだことによって、セフィロスの顔が赤くなってるなんて、しらなかった。
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