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「よせっ!ジェネシス!!」
スッー
「……ッ!」ビクッ
リオンは瞼を持ち上げた。…が、その瞳は黒ではなく、紅い瞳だった。
その瞳を見たジェネシスは、ジェネシス自身わからない何かを本能が恐れて動けなくなっていた。
「リオン!大丈夫か!?」
セフィロスが駆けよって来る。
「…ジェネシス?」
アンジールは、リオンの体スレスレで止まっている武器をジェネシスの手から離させたが、そのまま動かないジェネシスを不審に思い名を呼んでいた。
『《……僕の彼女に何をするの?》』
「「「……!?」」」
突然、リオンの口が開き、紅い瞳のまま喋りだした。
いや、“喋った”ではなく、“脳に直接話しかけている”の方が正しい気がする。
なぜなら、口は言葉道理に動いているが、その口からは音が発せられていないからだ。
「貴様は誰だ」
アンジールが問いただす。
『《僕は僕だよ?…強いて言うなら、彼女を傷付けるものから護る者》』
リオンを護る者と言った、声音からして少年(だと思われる)は不敵に笑みを溢していた。
「リオンは何処に居る」
『《…リオン?あぁ。彼女のことか。
彼女なら、今は思考の深くで眠ってもらってるよ。
僕が居ることを知られてはいけないからね》』
「…クククッ…クァクァクァッ!
こりぁ傑作だぁ!私の実験は成功したのだ!」
『《いやぁ、宝条博士(笑)
別に君の実験が成功した訳じゃないけどね。…だって僕、最初から彼女の側にいたんだもん》』
ねぇー、―――♪
少年は、リオンの本当の名を知っているのか、リオンの名前の所だけ誰にも聞こえないようにしていた。
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