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―――……
「よせっ!ジェネシス!!」
アンジールの叫び声を聞いたとき、何処からか懐かしい声が私の頭の中で聞こえた。
『《…ねぇ、―――。僕がキミを護ってあげるよ。だから…少しだけ、交代》』
その声を聞き終えると同時に、私の意識は深く深く沈んでいった。
それから、なにも聞こえなくて、なにも見えない。
真っ暗な空間…壁も床も天井もないんじゃないかと思うくらい真っ暗な空間をただ漂っていた。
『……セフィロス?ジェネシス?アンジール?』
私は、返事の来るはずのない人達の名前を呼んだ。
『ねぇ、何処に居るの?』
『なにも見えないよ。聞こえない…』
『身体は動くのに。瞼は確かに開いているはずなのに』
『自分が何をしてるのか、全然、わかんないよ』
口にすればするほど、私の中の不安は膨れ上がるばかり。
あの3人の…優しくてあったかい、声が聞きたいよ……。
こんな真っ暗な場所、薄い緑色の液体に浸けられていた方がましだよ…。
『《…ごめんね。もう、皆に会えるよ。でも、また、―――に危ない目に遭っていたら、助けにいくから》』
また、あの懐かしい声が聞こえた。
誰かの名前を呼んでいたみたいだけど、ソコだけ聞こえなくて。けど、私だってことはわかって。
なんか、不思議な声だった。
今度は、水の中から浮上していくような感覚を覚え、一筋の光が暗闇を照らしていた。
―――……
「……っ!リオン!!」
大丈夫か!?
目を覚まし(?)ボーッとしていたら、セフィロスの切羽詰まった声音で頭が覚醒し、セフィロスとその後ろで心配そうに見つめているアンジールとジェネシスの方を見つめた。
『{…ごめんね。心配かけちゃったみたいだね}』
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