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鰻？
そんなこと云ってねえだろうが。
だいたい人を絞め殺して丸呑みにしちまう鰻がいてたまるかってんだ、この野郎。
せいぜい電気……ん？
ドヨォノウナギ？
ちっ、なんだ、そっちか。
あ？
それっくれえ知ってるよ。
で、そいつがどうかしたのか？
夏の風物詩？
けっ、なにがフーブツだ。
どっちかっちゃフーゾクだろ、お前は。
あのな、土用丑の日って云やあ暑っちい盛りの恒例行事かなんかだと思ってやんだろうが、そうじゃねえぞ。
盆やかぶと虫とちがって春夏秋冬、何度だって巡ってくる寸法んなってんだ。
それに鰻だって別に今時季しか食えねえわけじゃねえ。
ちがうか？
なに？
夏は鰻？
大事なのは情緒風情？
かーっ、笑かすんじゃねえよ、さっきっからウナギイヌみてえな顔しやがって。
そんなもん、二百何十年か昔の芸達者なホモが、鰻屋に頼まれて勝手に云いはじめたことじゃねえか。
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