王道、王道、そして日常

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さわさわと気持ちのいい風が吹く、春の日差しが暖かい4月の昼頃。 1年次は幼馴染みと変態(シンユウ)の二人に振り回されたけど、2年になってクラスには変態(シンユウ)の方が残ってしまった。 誠に遺憾である。 「.........会長さん会長さん」 「俺のことは名前で呼べと言っているだろう、有希」 「僕のことは名字で呼んでくださいと言っているでしょう、会長さん」 昼休みはこうやって日向ぼっこをするのが晴れた暖かい日の日課なのに、邪魔な人がいつの間にやら割り込んできている。 何を隠そう我等が生徒会長様である。 名前は忘れた。 「顔に似合わず可愛い気の無い奴だ」 「一言余計なんです。で、会長さん」 「...............」 「会長さん」 「...............」 「......相澤会長」 「潤会長だ」 いいじゃん、名字で。 「じゃあ潤会長、こんな風に僕と屋上にいたら不味いんじゃないですか」 「何がだ?」 「ファンクラブがあるようなアイドル会長が、一介の生徒である僕と仲良くお話なんてしてたら、そりゃスキャンダルですよ」
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