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「まあ、君がただのお手伝いさんじゃないことは、始めに分かったよ。普通のお手伝いさんは、暴漢をこてんぱんにやっつけたりしなからね」
最初から分かっていて私に言い寄っていたのか、この狸オヤジは!
尚も人の良さそうな笑みを崩さない彼を、私は思いっきり睨み付けた。
「君の正体は警察か、探偵か、それとも……」
「泥棒よ」
彼の人の良い笑みが、苦笑に変わる。
「なるほどね。ご同業だったわけだ」
そう。
この人とは、始めから相容れない間柄。
奪う者と奪われる者。
それが、運命ってやつよ。
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