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廊下をカレー鍋を持ってうろつく健太とそれに付いていく鈴、青流、和樹は少し噂になってきた。
「もうそろそろ良いだろ」
「何人いる?」
「12人前後?」
「もうパーティーだろ」
「そうだな……」
そんなことを話しているとチラチラと下の方でちらつく影があった。
「カレーだ!」
「「「誰?!」」」
「エルだぞ!」
和樹は何かを感じたのだろう震えだした。
「和樹どうした?」
青流が和樹をゆすりながら聞くと、聞き取れるかの声でボソボソと何かを言った。
「はぁ? なんだって?」
「か……い……」
「?」
「可愛い……」
「あー……そう……」
そんな和樹と青流の会話を横にしながら健太はエルにカレーを一緒に食べないかと誘っていた。
「おぉ! おれ食べるぞ!」
「それじゃぁー……」
「一緒に会場まで行こう!」
和樹が大声を上げ、前へ出てくる。
エルは満面の笑みで頷いた。
そして和樹はエルの手を握ると歩き出す。
「俺……あの後ろ姿に危機を感じるんだけど……」
「私もそう思う」
「か、和樹だし大丈夫でしょ?」
「私……あっちについていくわ……」
「あぁ……」
鈴は和樹とエルの後を追いかけた。
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