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先生と酔いどれ
太陽の光を反射して煌めく波。
その波の音と子供のはしゃぐ声を聞きながら、木陰で竜奈とリベルは昼間から静に焼酎を飲んでいた。
「いつの世もこうやって平和なら良いだがな」
「そうだな……」
お酒をチビチビと飲んでいる竜奈とリベル、その二人の元に鈴がやって来る。
「喉かわいたー」
「何でこっちに来る?」
「いや~……飲物何かない?」
「お前に飲ますものはない」
「ぶー」
「仕方がない」
そう言い竜奈が立ち上がった。
「ジュース持ってくる」
「ありがとう!」
鈴の尻尾がブンブンと振られる、その度に水滴が飛び散った。
その様子を見た竜奈は持ってきていたタオルを鈴に投げつけ、そのままジュースを取りに屋敷まで戻っていった。
「………お酒?」
「お酒です」
「酔わない?」
「私は酔っていないが」
「………」
「未成年だろ?」
「ぶー!」
リベルがお酒を口に運ぶ。
すると鈴は怪しげな笑みを見せ、いきなりリベルの後ろを指差した。
「あー!! ベル先生、あそこに不審者が!!」
「なに!」
リベルが振り向いた瞬間、鈴は竜奈の飲みかけのコップに入っている焼酎をゴクゴクと飲み始めた。
「不審者などいなぃ………」
リベルが振り向き直ると、鈴は仁王立ちをし、片手を腰に当てその片方の手でコップを持ち一気にあおっていた。
「ぷっはぁー!」
「なっ!」
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