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今は使われていない海に近いお屋敷が1つ有りました。
梅雨があけた次の日、大勢のヒトがその屋敷に訪れます。
窓の近くに立ち、窓枠を指でなぞるリベルの姿がそこにあった。
「うむ……埃っぽいな」
そう一言、言うと叩きを手に持ち、マスクを口にしてバンダナを頭に巻いている青流がリベルに近寄り一緒に部屋を見渡した。
「仕方がないですよ……ここずーっと使われていなかったんですから」
「そうだな」
しんみりとしていると京太が二人を注意した。
「リベ先生、ヘタル! 話してないで掃除をしてよ! とても広いんだから、終わるまで何日もかかちゃうよ!」
「ヘイヘイ」
青流はシャンデリアに近寄り、叩きで軽く埃を叩く。
「何で私たちがこんな事をしなくちゃならないのだろうか?」
リベルが窓の外を見ながら呟いた。
それが聞こえたらしい青流はリベルにこう言う。
「あんたが生徒会の頼みを聞いてきたからだろ……」
「うむ……そうだったな」
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