入学篇Ⅲ

16/32
前へ
/548ページ
次へ
「先手は譲ってあげるよ」 紳士のつもりか強者の余裕か、相手の力量すら測れない笹川は先手を譲ってしまう 「ならお言葉に甘えて」 「まずは一人ずつ、潰させてもらったから」 そんな葵と奏の声が笹川の後ろの方から聞こえてくる 「何ッ!?」 声に反応して振り向いた笹川が見たのは、 葵により曲がる筈のない右腕前腕が曲がっている男子一人と、 奏により左脚の膝をリボルバー型の『アイスバレット』で撃ち抜かれ血を流す女子一人がどちらも気絶し倒れている姿だった 「笹川、その二人は確かにDクラスのダンスですが…ここにいる誰よりも強いですよ」 スイッチが入ったのか、ネガティブ気味ではなくキリッとした一世は自身が身につけている剣術…剣宮流で鍛え上げられた観察眼で先程二人がやったことを即座に認識し自分よりも遥かに強いと自覚しそう断言する 「お、お前らッ!見てないでソイツらを潰せッ!」 一瞬で現れクラスメイトを二人沈めた葵と奏に、先程の一世の言葉で動揺する笹川は他のクラスメイトにそう命令する が、 「遅い」 「弱い」 「アナタの相手は私ですよ笹川」 葵と奏から一番近い男女四人が同じように気絶させられ、笹川の後ろから一世が刀を振り下ろす
/548ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加