入学篇Ⅲ

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尚も続く鮫島の怒号を受け、座り込んだ者は耳を塞いでいるものの気絶寸前になっていた 「ん?あぁ…遂いつも姫にやるやり方でやっちまったな…」 「怒るのはいいけど加減しないとダメじゃんシャーク先生…『バイブレートボイス』使ってるんだから」 鮫島の怒号…『振動』系魔法の『バイブレートボイス』を使ったそれは本来通信機等に組み込まれている魔法式で、 鮫島の様に直に周辺へと使うと例え耳を塞いでいても耳にダメージを与える攻撃系の魔法になってしまう これはあまり知られていない方法だが、鮫島はこれを葵を怒る時にのみ使用している 時々ではあるが鮫島に対し悪戯をする葵に毎回の如く使っていた為、葵には耐性と対抗策があるとわかっていて使用した結果…今回のように集団気絶を起こす一歩手間な状況を招いた 「怒らせるようなことしてるからだろうが。 だいたい一人だけ明らか骨折と違うぞ」 鮫島が指を指した先には、先程の『バイブレートボイス』でトドメ…もとい気絶した笹川が倒れている 「だって状況もなにも考えずに『サイクロン』使うような奴だし…魔力回路を数本切っただけだから一ヶ月ぐらいで回復するよ」
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