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「はぁッ！」
「ふッ！」
開始直後、柄尻に左掌を合わせる剣宮流一の型『基突(きとつ)』の構えで突進する男子生徒とグローブに加速の『バーナー』を灯し同じく前に出る葵
狭いリングですぐに接触した両者。
柄尻を押し出し突きに威力を乗せる『基突』を紙一重で葵は左に避ける
「せいッ！」
『基突』を躱されるも特に驚くこともなく刀の刃を葵に向け、
上から弧を描くように切りつける二の型『上弧(じょうこ)』を放とうとする男子生徒
「(まぁ、そう来るよね)」
元から知っている技など対処法さえ分かっていればどうとでもなる
『上弧』に合わせグローブで刀を当たらないよう誘導した葵に男子生徒は一瞬驚くが、
すぐさま『基突』の体勢をとる
「基本の一の型をとるのはいいけどさ、相手は私だけじゃないんだよ？」
葵のその言葉の直後、男子生徒の右肩に後ろから何かが当てられる
「ッ！？」
危うく刀を落としそうになるがなんとか落とさずに済んだ男子生徒は素早くバックステップをし周りを確認する
「(小石サイズだったよな…アイツか？)」
男子生徒の目線はクラスメイトの女子一人と相手をしている奏に向けられる
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