偽りの劣等生〈ダンス〉

新人戦篇Ⅱ

「なッ！？」

突きを放つまでは同じ、しかし突き出された刀は刃を上に向け男子生徒の左肩の上を通過する。
通過した刀の背を葵は男子生徒の左肩に触れさせ、そこから刀は離さずに曲芸でもするかのように上へ飛んで男子生徒の背後をとる

そして刀の刃を首筋に合わせ…

「降参…する？」

「(試合だけど…これが実戦なら死んでる…)あぁ、降参だ」

男子生徒の降参宣言により、葵から刀を返してもらった男子生徒はリングから出る

「さーてと………かなかなは遊んでるし凪ちゃんとさなさなは苦戦してるっぽい？」

リングで無防備…最低限警戒はしている葵は戦況を見る

相手の『ウインドバレット』を避けるだけの奏。
魔力で極めて薄い緑に着色されているとはいえほぼ見えない『ウインドバレット』をよく避けている

一方、"眼"は鍛えたが『ウインドバレット』と『アイスバレット』を織り交ぜながら撃ってくる相手にかすり傷だらけの凪

そして魔力で厚さ･範囲を調整できる『アイスシールド』を全面に張る相手に攻めきれない早苗