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夢見心地のような足取りで、両親が馬込さんに案内されていく。
華原さんの術が聞いているんだなあ、すまん親父お袋、と思っていると。
「・・・心配いらない・・・面倒見てくれるから・・・」
「彼女が・・・面倒を見てくれる・・・」
はいっ!?
華原さんは、ちゃんと「お店のお客さんたちが」って言ったのに!
「お、親父!お袋!」
手を伸ばすも、病室のドアは馬込さんと両親を俺と隔てるように閉じた。
「厄介ね!このバカの魔力は私よりずっと強いから、先にこいつが刷り込んだおかげで中途半端にしか私の術がかからなかったわ!」
中途半端に・・・・・・ミハイさんの「私が看病します」と華原さんの「お店のお客さんが面倒をみます」を合わせて・・・
ーーー「彼女であるミハイさんが」「面倒をみます」ーーー
「何てことだ!!困ります!!お断りします!!」
そのミハイさん、鎮静剤だか筋肉弛緩剤だかが効いて、その場でへなへなと腰を抜かしている。
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