十九夜

65/84
前へ
/1296ページ
次へ
「やっぱり、見張りが必要よねえ。」 なんだ、見張りって。 俺が信用できないってことか。 まあ、確かに退院後自宅に戻ったら、すぐに店の方に行きそうだって自分でも自覚はあるが。 1週間店を開けないようにするから、店にいることは許してくれないかな。 「泉実ちゃんが、お店を開けないよう、ゆっくり休めるようにするには・・・」 そう言うと、華原さんはようやく、というか、早々と薬の効果が切れかかってどうにか立ち上がろうとしたミハイさんを、背後から思いっきり踏みつけた。 ミハイさんの口から、「ぐえっ!」という呻き声が漏れた。 加減してませんね、華原さん。 それ、人間なら背骨が折れてます、確実に。 「ねえねえ、変(ピー)次期一族後継者サマのオゼットちゃぁん。あんたの買ったっていう別荘の話、よっく聞かせなさい。」 か、か、華原さん!?
/1296ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46563人が本棚に入れています
本棚に追加