十九夜

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まさか、ミハイさんが俺の湯治用に購入したとかいう、訳の分からない別荘のことじゃあないだろうな? いや、それしかないか。 まさに、気が狂っているとしか言い様のない金の使い道だと思うぞ、それ。 どんな金持ちなんだか、俺にはまったく想像もつかんが! 「泉実を迎えるのだ、別荘と言ってもマスタールームから客室まで、全8室ほどの規模である。リビングの広さも申し分ない。土地は400坪程度であるのが少々不満ではある。」 それって、普通の一戸建てより広い。 「風呂は源泉かけ流し、というのか?そんなものが、内風呂と露天にあり、ジャグジーもついておる。」 無駄にいくつも風呂がある。 「泉実が退屈をせんように、キッチンも広いものを選んだ。アイランド型というのだろう、調理台がこう・・・」 説明してくれたキッチンは、確かに広くて調理しやすそうで、調理台は大理石で、最新式の調理家電も完備していて・・・・・・ そこは、ちょっとだけ魅力的に感じてしまった。 ちょっとだけな!
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