六夜

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それでも、ヤタなりに気を使って早めに来て出迎えようとしているので、ちょっと微笑ましく思って口元が緩んだら、何を笑っておる!と頭をつつかれた。 「いたっ!ヤタ、やめろ!」 「ぎゃあ!人間風情が!俺は高御産巣日様直々に・・・」 「直々に何じゃ、ゆーてみろ、阿呆が!」 ヤタがふんぞり返りそうになった背後に、突然現れたタカさんが、ヤタの後頭部をバシーンとひっぱたいて地面に落とした。 「ヤタ!」 「ったく、あれだけ泉実に庇ってもらっておきながら、何をでかい口を叩いとるかぁぁぁぁ!!高天原に投げ返すぞ!!」 タカさんが、ヤタの三本脚をむんずと掴んで、ぐるぐる回し始めた。 本気で投げる気だ! 「わああ!!タカさん、やめてください!今のは、ちょっとしたじゃれ合いですから!」 生意気なことを言ってつついてきたわりには、血が出ているわけでもないし、ヤタだって本気で俺を攻撃したんじゃないから!
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