六夜

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ぷりぷり怒るお地蔵さんと、それを形ばかりなだめるタカさんと、カウンターを指でコツコツと叩いて苛立ちを隠さないミハイさん。 本日の俺の店も、これまた大層殺伐としている。 お酒の好みが三者三様なので、準備していると。 「ぎゃあ!これはこれは、宇迦之御魂神様!ご機嫌うるわしゅう!」 「うるわしいわけないだろう。タカは先に行くし、御守りまで取られるし、こんなもん押しつけられるし、おまえは役立たずだし。今、俺の機嫌は最低最悪だから、話しかけるな。」 聞いただけ超不機嫌だと分かるウカさんの声がした。 ヤタ・・・気の毒に。 今回のお出迎えの挨拶は、全然悪くないからな。 きっとしょげかえっているだろうヤタを案じていると、店の戸が開いた。
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