六夜

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「や、泉実。久しぶり。」 「らっしゃい、ウカさん。ご無沙汰してます。」 「うんうん。・・・はああああ、本当にここに来ると落ち着く・・・いっそ、俺が避難してきちゃおうかな。」 「阿呆ぬかしとらんで、さっさと入ってこんかい。」 顔を覗かせた瞬間は険しい顔をしていたが、店に入って俺と挨拶を交わしたとたんウカさんの表情は、一気にほわーんとしたものに。 相当ストレスが溜まっていたんだろうなと思いつつ、もちろんここに避難してくる案は却下だ。 ウカさんは、さっさと入れと言ってきたタカさんをにらみ、さらに側にいたお地蔵さんを見た。 「またいるんだ。野次馬根性の強いお地蔵さんだねえ。」 「あほんだら!お前らが高天原なんぞのごたごたを持ち込みおったから、わしが出張っとるんじゃ!こ・こ・は!わしのシマだっちゅうのがまだ分からんか。」 「へええ~・・・それ、いつ決まったの?何?実力行使で奪い返せばいいのかな?」 殺伐の度合い200%越え。
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