六夜

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外で待っているんだろうか。 俺は、とんでもない大男あたりが入ってくるのかとちょっとびくびくして身構えた。 八岐大蛇を退治した、天照大神様の弟の神様なら、想像だと非常にゴツくて筋肉隆々髭もじゃもじゃ・・・ 外のヤタが「ぎゃ・・・ぎゃ?ぎゃぎゃ?」と妙な鳴き方をした。 そして、入ってきたのは。 「・・・ううう・・・よくも俺様をこのような姿にしおって・・・恥ずかしさで母上の元に行ってしまいたくなるではないか・・・」 黒い髪は硬いからかちょっとだけツンツンとしていたけれど、耳を出して首元もすっきりと整っていて。 白いシャツに紺色のショートパンツ、サスペンダー付き。 黒のハイソックスに黒の革靴。 その背には黒のランドセル。 手には、植木鉢。 今にも泣き出しそうな、大きな瞳をした・・・・・・ 小学生の男の子が立っていた。
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