六夜

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え、何、この子。 10歳未満てとこだと思うんだが。 もじもじしながら、戸のところで立ち尽くしている、非常に愛らしい容貌の少年が一人。 「あの・・・・・・?」 「とっとと入ってくれば?迷惑親父。」 「お前の力を削ぐのに、小さくしたんじゃ、仕方なかろう、スサの坊主。」 「なんじゃ、ちみっちゃいのー。神気もえらいこと封じられおって。こりゃあ、下級神どころじゃないわい。」 唇を噛みしめて涙ぐんでいる少年に、ウカさんタカさんお地蔵さんのかける言葉は、優しくない。 え・・・まさかこの子が・・・ 「素戔嗚尊・・・ですか?」 「おう。言ったろうが。迷惑をかけんようにすると。わしとウカで、徹底的に封印かけて力封じて、ついでに子供に戻しといたわい。これなら、ちょいと暴れても、おまえがケツの1つでも叩けるだろう。」 「服装はこの時代の子供に合わせてみたんだよ。いやぁ、俺もタカも優しいなあ。ちょっとした羞恥プレイみたいなもんだけど、罰の一環だと思えば。」 いやいや、神様たち、おっかないよ! なんか酷いんだが!
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