真紘くん争奪戦!!見合いなんてさせてたまるか!

12/12
1251人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
きいを追いかけ家を出ようとすると、陽兄に腕をひかれて、制される。 「女の子1人で帰らせたら危ない…っ」 「1人なんていってないだろうが。人の話をちゃんと聞け。友達が迎えに来てるはずだよ。そんなに心配なら一緒に行こう。」 何故か、陽兄は真剣な顔をして、俺の腕を離さないまま、一緒に玄関を出た。 家の前に止まっている車にきいが丁度乗り込むところで、俺は、迎えに来てくれた友達に頭を下げて、きいに手を振った。 きいは俺達をみて、また何か言いたそうだったけど、手を振りかえしてくれた。 「なんで引き止めたの」 きいがいなくなった後、家の中に入る前に陽兄に聞いた。 「お前は優しいが、優しすぎるとそれは逆に人を苦しめることになることもあるんだ。」 頭にポンッと手を置かれそのまま撫でられた。 「それと、」 気恥ずかしそうに陽兄は顔をかきながらまだ何かいいたげで。なに?と聞き返すと、顔を真っ赤にしながら 「お兄様は…その、なんだ。お前がいるから、お見合いなんてしないから、安心しろ」 なんてことを言う。 陽兄が気を遣ってそんなことをいっているのは分かっているが、その言葉に素直に嬉しくなって、俺はバカじゃないの、と笑った。 今日も日向家は平和であった。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!