双子の策略 ~翔~

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「ったく、何騒いでるの。食事のときぐらい黙って食べてよ」 騒ぎ出した兄たちを、ヒロにぃが、呆れかえりながら宥めると、腑に落ちない様だったが、次男の健くんと涼君は大人しくなった。 『バーカ』 ヒロにいの言うことなら何でも聞く従順な2人をみて、目を細めながら口だけ動かすと、気の短い健君は一気にご飯を掻き込み、ごちそうさまでした!っと投げやりに言って部屋に戻っていった。 何も知らないヒロにぃは、そんな健君を見て、心配そうに眉を下げる。 ……健ばっかり、見んなよ。 「……大丈夫だよっ、ヒロにぃ。健君はトイレ行きたかっただけだと思うよぉ~」 ヒロにぃの意識をこちらに戻そうと声をかけるが、やっぱり気にかかるようで、眉は下がったままだった。 あーあ。これ絶対食べ終わった後健君の部屋にいっちゃうなぁ。 せっかく今日は太陽君いないから独占出来ると思ったのに。これじゃあまた、遅れをとってしまう。
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