1266人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫だよ、ヒロにい。健君は怒ってないから。それより早くご飯食べてしまおう?僕も一緒に片づけ手伝うねっ」
さりげなくヒロにいの手を握り、ほほ笑むと、ヒロにいも、そうだね、と言いながら無理して笑った。
………あぁ、これ、また1人で悩んでしまうパターンだ。
僕らには無理してそうやって笑うんだよね。
「なぁ、翔」
ご飯を綺麗に食べ終えたヒロにぃは、少し落ち込んだような声音で、僕を呼んだ
「なぁにい?」
「……俺は、お前をあいつらが言うように、甘やかしすぎたんだろうか。」
「へ、?」
「い、いや、何でもない。忘れて!兄ちゃん、片づけてくるね!」
タタタッと駆け足気味にキッチンへ自分が食べ終えた分の皿をもっていくヒロにぃ。
なぜだか少し辛そうだった。
「甘やかしすぎたって、」
まあ、十分ひろにいは僕ら双子には甘いけど、それは何でも許してくれるとか、そういう意味ではなくて、ちゃんと叱るときは叱ってたし、甘やかす、とは違うんじゃないかな?
「ねぇ、涼君」
「双子だからって、お前の考えていることが分かるわけないだろう。同意を求めないでくれる?でも、あの様子だと、ずっと自分のこと責めてそうだよね。」
「誰かに何か言われたのかな?学校では抑えているつもりなんだけどぉ」
「そりゃぁ、翔が昼休みに毎回ヒロにいのところにいってれば、基本あの人デレデレだから、何か言われた説も強いけど」
「そいつうぜぇな」
「はぁ。そもそも、お前が、できないふりしてヒロにいを独占しようとしてきたのがいけないんだろ。まあ、裏目にでたみたいだけど?自分でなんとかしなよ。あ、ヒロにい傷つけたら殺すからね?」
最初のコメントを投稿しよう!