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「ヒロにい」
皿洗いをしているヒロにいに話し掛けるとビクリと肩を揺らして、こちらを振り向かずに、
「……どうかした?」
と反応する。
………こっちを見ないから隣にいっちゃうもんね。
手元をみると、
あらまぁ。水だけ流して全然洗ってないじゃんか。
「ヒロにい、疲れてる?洗おうか?」
「大丈夫だよ」
「ヒロにい」
「なに」
そんな思い詰めたような顔しないでよ。
「ヒロにいは、間違ってないよ、なにも。」
ね?と、俯くヒロにいの顔をのぞき込むと、琥珀色の綺麗な目が少し揺れた。
泣きそうな顔、ほんと、ーーーゾクゾクする。
「しょ、翔。近いよ、」
顔を近づけると、耳まで赤くして俯くヒロにい。
何でこんなに可愛いんだろう。そんな顔をするから、想いが溢れて溢れて、手に余るんだ。
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