双子の策略 ~翔~

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「真紘~お兄様がお帰りになられましたよっと!」 上機嫌でドアを勢いよく開けて、ずかずかと入ってきた兄に、一応、おかえりと口にした。 「ただいま~ってなんだお前か。俺の真紘は?」 あからさまにがっかりした顔を浮かべた兄の顔を殴りたくなった。 ほんとにコイツの頭の中はヒロにいしかいないのか。 「ヒロにいならキッチンいるよ」 「そうか。俺よりも料理に夢中になってるなんて軽くお仕置き案件だな」 とかぶつぶつ言いながら、スキップしてキッチンに向かう兄に思わず、 「な、何か言うことないの!?」 と声をかける 「はぁー?うーん?」 立ち止まり振り返り、首を傾げて僕をまじまじと見つめる長兄の眼力がすごくて、少したじろぐ。 「そのカッコ、お前がすると似合わないな。弟よ、個性が消えたぞ」 とさも馬鹿にしたような笑みを浮かべて、キッチンに消えていった 「な、なんだよ!」 思わず悪態をつくと、いつから帰ってきたのか、涼君がいて 「バカだね、どっちも。今日だけは、ヒロにい貸してあげるよ」 なんてやけに大人びた口調で言う。 そして僕は………… ▼▼▼▼▼▼▼ 「……っ、うわぁぁぁぁん」 ヒロにいに泣きついた。
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