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「真紘~お兄様がお帰りになられましたよっと!」
上機嫌でドアを勢いよく開けて、ずかずかと入ってきた兄に、一応、おかえりと口にした。
「ただいま~ってなんだお前か。俺の真紘は?」
あからさまにがっかりした顔を浮かべた兄の顔を殴りたくなった。
ほんとにコイツの頭の中はヒロにいしかいないのか。
「ヒロにいならキッチンいるよ」
「そうか。俺よりも料理に夢中になってるなんて軽くお仕置き案件だな」
とかぶつぶつ言いながら、スキップしてキッチンに向かう兄に思わず、
「な、何か言うことないの!?」
と声をかける
「はぁー?うーん?」
立ち止まり振り返り、首を傾げて僕をまじまじと見つめる長兄の眼力がすごくて、少したじろぐ。
「そのカッコ、お前がすると似合わないな。弟よ、個性が消えたぞ」
とさも馬鹿にしたような笑みを浮かべて、キッチンに消えていった
「な、なんだよ!」
思わず悪態をつくと、いつから帰ってきたのか、涼君がいて
「バカだね、どっちも。今日だけは、ヒロにい貸してあげるよ」
なんてやけに大人びた口調で言う。
そして僕は…………
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「……っ、うわぁぁぁぁん」
ヒロにいに泣きついた。
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