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三男の部屋とすぐ隣にある、双子の弟たちの部屋をガチャリと開けた
「あ、おはよーひろにい」
「なんだ、涼は起きてたのか」
今年から俺が赴任してる高校へ入学した四男、涼はさっそく真新しい制服をきていた。
……似合ってるじゃないか。
弟の成長した姿に、目頭が熱くなる。年をとると、涙もろくなるってホントだな。
四男、涼は兄弟の中で一番常識人だ。
しっかりしてる。
右目まで覆われた前髪をうざったそうに掻きあげ、ネクタイをしめていた。
「涼は起きて着替えまでしてるのに、……翔ときたら、涎たらしながら寝てやがる」
顔こそそっくりだが、性格はまるで正反対の一卵性の双子。
翔のほうは手がつけられないほどやんちゃだ。
翔の左目まで覆われた前髪に触れれば、ピクリとまぶたが動いた。
このまますやすやと寝かしてあげたいところだが、
「こら、起きろ、翔」
ぺちぺちとマシュマロみたいなほっぺたを軽くたたくと、うっすらと翔が目を開けた
「んーー?ひろ、にぃ?…ひろにぃだぁ。えへへ~」
ふにゃりと笑い俺の頬に顔をすり寄せてくる翔、ああ、可愛い。
翔の甘えた行動に嬉しくなって俺も頬をすりよせた。
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