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「貴方が何を聞きたいのか私にもわからないわよ」
同時に、落胆のような感情も生まれてしまった自分がわからなかった。
覚えていない方が、好都合の筈なのに。
踵を返して、今度こそ改札に向かおうと再び歩き出すとまた、引き止められる。
今度は立ち止まるつもりは無かったのに、つい足を止めてしまった。
もしかしたら、彼も少しは覚えてるのだろうか。
それが気になって、聞かないわけにはいかなかったからだ。
「最後に会った日だよ。あいつら二人を引き合わせる計画に俺が引っ張り出された日」
「その日が何?」
「二人を会わせた後、飲みに行ったよな」
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