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「わかった、送る」
そう言って、溜息をついた彼の手には細長いビニールがあった。
キッチンにいたはずの瑛人くんまで、気が付けばそこに居て彼に向けてそのビニールの持ち手を差し出す。
「あ、おっさんいらっしゃい」
「おっさん言うな。ちょっと送ってくる。これ、差し入れ」
「自分飲めないくせに持ってこなくていいのに」
「お前が結構飲むだろ」
本当に、親しげに話している。
まるでここでは私の方がイレギュラーのようで、疎外感を感じてしまう。
元々、その三人の輪の中にいたのは私のはずなのに。
知らないうちに別の輪っかがしかも大嫌いな人物を交えて作られていたなんて。
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