889人が本棚に入れています
本棚に追加
――――――
―――
「美里。藤井さんも呼んだのを私に黙ってたのって、わざとでしょう」
『えーっ違うよ、私言わなかったっけ?』
ウソばっかり!
すっとぼける美里に、私は返事をせずに無言で煙草に火を付ける。
そう言えば、以前からそうだ。
あの人に関わると、何かイライラして落ち着かなくていつも煙草の本数が増える。
食事を終えてもう藤井さんも帰っただろうと、22時を過ぎた頃に美里にラインを入れてみたら、すぐに携帯が鳴った。
私が怒っているかどうか、気になって仕方なかったに決まっている。
メンソールの煙を深く吸い込んでそのまま無言を貫くと、やがておずおずとした彼女の声がした。
『ご、ごめん』
最初のコメントを投稿しよう!