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「……喧嘩友達、みたいなものです」
「……友達」
「はい」
決して、友達じゃないな。
嘘をついてしまった。
「私のこと『腹黒』って言ったり『ふわふわ腰が軽い』とか散々言ってくれる友人です」
「それってほんとに友達?」
「だから決して仲良くはないです」
懐かしいな。
言い合いばかりだったけど、滅茶苦茶言ってくれるから逆に私も気取らずに済んだのだ。
後は……失恋まで人任せにしてるから忘れられないんだろって言われて脳が沸騰するかと思うくらいに腹が立った。
その通りだったから。
美里と瑛人くんがちゃんと付き合ってくれたら忘れられる、って思いこんで変に突っつきまわして、干渉しすぎた。
思い出しただけで恥ずかしい。
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